こんにちは、にょろりんこの雑記ブログです。
今日は、本業の事業再生系コンサルで「人が来ない」「人がすぐ辞めてしまう」といった相談を受けたので、それに対して私がいつもお伝えしている考え方を、ブログにも残しておこうと思います。
結論から言うと、「人を雇うなら、年収500万円は最低ライン。それが払えないなら、そもそも雇うべきではない。」という話です。

少し極端に聞こえるかもしれません。でも、これは単なる理想論ではなくて、採用・定着のリアルな「競争環境」の話です。
「やりがいがあるから、給与は低くても大丈夫」は通用するのか?
この話をすると、よく言われるのが「でも、弊社には“やりがい”があるから。」という話です。
たしかに、仕事における「自己成長」や「やりがい」はとても大切です。また私自身、従業員が仕事を通じて成長することが、会社全体の成長にもつながる──そんな関係性をつくるようなコンサルティングを日々行っています。
従業員の成長が会社の成長とリンクする、そういうWIN=WINの関係が作れれば、理想ですよね。
でも、それだけで人が集まり、定着する時代ではありません。人には生活があります。将来があります。そして何より、他に選択肢がある以上、必ず比較されるんです。
たとえば──いくら年収が高くても、「なりすまし詐欺の仕事」はマトモな人ならやりたがりませんよね?
それと同じで、いくらやりがいがあっても、採用競合と比べて明らかに見劣りする給与水準では、人は動きません。
もちろん、いわゆる「信者ビジネス」のように、「やりがい」「ビジョン」だけで人が集まるモデルも世の中にはあります。キラキラ求人で人を集める邪悪なSESビジネスもこのタイプですね。
でも、ここで私が話しているのは、あくまで「マトモなビジネス」の話です。
なぜ年収500万円なのか?
「じゃあ、なんで“年収500万円”なんですか?」と聞かれることがあります。理由はシンプルで、ある程度の責任を伴う仕事に対して、人が納得して働ける最低水準が、そのあたりだからです。
たとえば、総合病院(夜勤あり)の正看護師。看護師さん達の年収は、おおよそ500万円くらいです。仕事は肉体的にきついし、夜勤もあります。でも、やりがいもあるし、雇用の安定性もある。さらに、手術室などの専門看護師や看護師長などのキャリアパスも明確です。
同様に、第三種電気主任技術者(電験三種)を持っている人。中小ビルの保守管理のような比較的ライトなポジションでも、年収400万〜500万円前後が最低ライン。インフラ系や大手企業では600万円を超えることも珍しくありません。
つまり──ある程度の責任と専門性が求められる仕事で、人を集めようとするなら、500万円は最低ラインとして設計すべきなんです。
そもそも採用は「3Cの競争」である
ここで少し視点を変えてみましょう。マーケティングの世界でよく使われるフレームに、「3C分析」という考え方があります。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
これ、採用にもそのまま当てはまるんです。採用における「3C」とは?
・Customer=求職者(人材市場)
※どんな働き方を求めているのか? 給与・勤務地・柔軟性・成長環境など、ニーズは多様です。
・Competitor=採用競合
※他社がどんな待遇・環境・文化で人を採用しようとしているのか? 見比べられる時代です。
・Company=自社
※自社が提示できる条件は何か? 年収・福利厚生・仕事の魅力・成長の見通しなど、選ばれる理由はあるか?
採用って、「求人を出せば人が来る」ではなくて、比較され、選ばれる「競争」なんです。
それにもかかわらず、Company(自社)の視点ばかりに寄りかかって、「うちはやりがいがあるから」「人間関係が良いから」というアピールばかりしても、他の2C(市場と競合)を無視していたら、絶対に勝てません。というか、やりがいはどの仕事にもある以上、差別化には全くなっていません。
求職者は、自分の人生の時間を預ける場所を選ぶわけです。そりゃ冷静に、比較しますよね。そして「この条件ならあっちの方がいい」と思われたら、そもそも候補にも入らないんです。
たとえば──
- 総合病院で、夜勤あり・年収500万円・福利厚生あり
- 中小企業で、責任重め・年収320万円・制度は整っていない
この2つが並んだときに、「うちはやりがいあります」だけで選ばれると考えるのは、さすがに競争戦略として弱すぎる。何を食べたらそんな考えに至るのだろう?と疑問に思うレベルです。
結局、採用もマーケティングと同じ。市場を知り、競合を見て、自社を整える。この3つをセットで考えないと、「来ない・定着しない」のは当たり前なんです。
もちろん、この考え方は、ある程度の責任感のある人を雇いたい場合の話です。
世の中には、「給与は安いけど、無断欠勤OK・無断遅刻OK」といった、「働きやすさ」を最重視した仕事もあります。
マニュアル化されたルーティンワークで、責任も判断もほぼ求めない──そういう設計にすることで、低コストで人を回す戦略です。
これはこれで、整合性のある立派なビジネス戦略だと思います。従業員の熟練度が低くても回るように設計されていて、代替人材もすぐ用意できる。そもそも責任を持たせない前提で業務が組まれているなら、何も問題はありません。
でも、この記事で扱っているのは、
「ある程度の責任ある仕事を任せる人材が、来ない/定着しない」という話です。
責任を求めるなら、それに見合う報酬設計を。そこがズレていたら、そりゃ採用もうまくいかないよね──というのが、今回の主張です。
だから、「払える構造」を設計しよう
ここまで読んで、「じゃあどうすれば年収500万円を払えるようになるのか?」と思った方もいるかもしれません。
答えはシンプルで、払えるように設計するしかないんです。それが経営の仕事であり、設計者としての責任です。
経営には「社長の器が~」とか「社長の人格が~」とかよく言われますけど、そういうのって極論どうでもいいんですよ。
まずは責任をもって働いてくれる従業員に年収500万円払えるビジネスモデルを構築することに全力を傾けましょう。しょうもない社長論のセミナーを聞くために何十万円とかのお金を払うのはバカなんです。
まとめ:搾取じゃなく、設計で勝つ
採用も、定着も、すべては競争です。その競争に勝てないのは、人格やカリスマ性が足りないからではありません。ビジネスモデルの設計が甘いからです。
人を相場より安く雇うビジネスは、長くは続きません。責任のある仕事を、責任ある人に任せたいなら、それに見合う報酬設計が必要です。
「やりがいがあるから」「人間関係がいいから」──そういう話は、まず年収500万円を提示できるようになってからの勝負です。
年収300万円台で人を雇いたいと思っているなら、最初にやるべきは採用活動ではなく、500万円を払える構造を作ることです。
世の中には、採用広告屋や人材エージェントに沢山の無駄なお金を払っている社長が多いですが、それよりも先に、その採用広告費や人材エージェント費用を使って、ガタガタな社内をマトモな会社にすることが大切なんです。
結局、経営とは設計です。搾取ではなく、設計で勝つ。
それが、私の考える健全で持続可能なビジネスの在り方です。そして今日は、そうした話と、さらに一歩踏み込んだ、「じゃあどうやってその設計をするのか?」という実践的な話を、クライアントとじっくりしてきました。
実は、「SaePorns」というプロダクトをつくった理由のひとつも、まさにここにあります。
私はあくまで、事業再生系のコンサルタントです。これまで何社も戦略の再構築を支援してきました。でも──自分で会社をゼロから立ち上げたことは、ありませんでした。
だから、自分でもやってみる必要があったんです。誰かの会社じゃなく、自分自身の設計で、プロダクトを作りビジネスモデルを構築していく。コンサルとしてではなく、設計で勝つことを、自分の手で証明してみたかった。
「いつか誰かを雇うなら、ちゃんと500万円払えるようにしてから」そういう基準で、自分のプロダクトを育てています。
そして、このブログでは、その試行錯誤の過程そのものを書き残していこうと思います。
それではみなさんよき開発ライフを。育成中のあなたを追跡しないアダルト動画の検索エンジンSaePornsはこちら。
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