ぽっぺんしゃんにょろりんこ

匿名・非追跡型アダルト動画検索エンジンの設計ノート

信じる人を狙い撃つ時代。キラキラ広告の本当の怖さ

こんにちはにょろりんこの備忘録ビジネスブログです。

最近、またSNSで「未経験から半年で年収1000万円」みたいな広告を見かけました。

「自由に生きる」「好きな場所で働く」「週3で月収50万」。お決まりのキラキラしたコピーと、MacBook片手にカフェで微笑むフリーランス風の写真。この設定1万回見ましたね。

思わず笑ってしまいましたが、笑いごとではありません。

なぜなら、こうした広告に惹かれて、高額なスクールに申し込んだ挙げ句、結局案件も取れず、自信もお金も失ってしまう人が本当にいるからです。

冷静に考えればうまくいかない理由はわかります。なぜなら、どんなビジネスにも競合が存在しているからです。

こっちを見るティアラ

「未経験から半年で月収100万円」の世界には、当然ながらすでに経験豊富なプロや法人がゴロゴロいます。そんな中で、スキルも実績もない、ちょっと勉強しただけの素人が競争に勝てるわけがありません。

ビジネスの世界には必ず競合がいます。選ばれるには選ばれる理由があるのです。

マーケットには必ず競合がいる

テレビでたまに、婚活中のアラフォー女子が「年収1000万円以上の年下の彼と結婚したい」と本気で言っている番組、ありますよね。でも、正直に言って、これってほぼ不可能です。

なぜなら、そこには「競合」が存在するからです。

その条件に合う男性、たとえば30代前半で年収1000万を超えるような人なら、そもそも婚活市場に出てくること自体が稀です。いたとしても、相手に選ぶ選択肢は山のようにあります。20代の若くて美人な女性、同年代で気が合うキャリア女性、価値観を共有できるパートナー候補など、あらゆる「競合」がひしめいている。

その中で、「私は年齢を重ねているけど、心は若いし努力もしてるから大丈夫!」という「自己評価」だけで、その市場のトップ層を狙っても、冷静に考えれば選ばれる確率は限りなく低い。

ビジネスもこれとまったく同じです。

市場に自分よりスキルのある人、実績のある人、評価の高い人がたくさんいる中で、「ちょっと学んだだけ」「数件の実績があるだけ」の状態で勝負を挑んでも、選ばれる理由がなければ当然ながら結果は出ません。

それでも「選ばれる」と思い込めてしまうのは、自分の目線でしか世界を見ていないから。そして、それを都合よくくすぐってくるのが、あの手の「キラキラ広告」なんですよね。

努力や学びを否定するつもりはありませんが、「たった数ヶ月で人生激変!」なんて話が、現実にはほとんどありえないというのは、少し立ち止まって考えれば見えてくるはずです。

じゃあこれ、キラキラ婚活女子……改め、キラキラフリーランス女子が悪いのか?

と言われると、そんなことはありません。

現実がつらいとき、夢を見たくなるのは当たり前です。でも、それを利用されるのは悔しいじゃないですか。

キラキラフリーランス女子は悪くない

彼女たちはただ、「理想の自分になりたい」と思っているだけなんです。

自由に働いて、時間もお金も余裕があって、好きなことをして生きていきたい。そういう生き方に憧れるのは、自然なことですし、誰だって少なからず同じような願望は持っているはずです。

問題なのは、その「願望」を「短期間で誰でも叶えられる」と巧妙に煽る構造の方です。

本人の自己肯定感や判断力が下がっているときに、「たった3ヶ月で」「誰でもできる」「人生変わります」なんて言葉を投げかけられたら、つい信じたくなるのも仕方ありません。

まるで、「そのままでいいんだよ」と言ってくれる年収1000万の王子様が、画面の向こうから手を差し伸べてくれているような錯覚。

でも、現実はそこまで甘くない。

本当に自由な働き方をしたいなら、現実を見据えた努力や、長期戦を戦う覚悟が必要になります。

そもそもキラキラ広告側も「まともな人を騙せる」とは思っていない

ここが一番の肝です。

ああいった「キラキラ広告」の発信者側も、冷静な判断力を持つ人を騙せるとは、最初から思っていないのです。

彼らがやっているのは、「騙す」というよりも「信じてしまう人を探す」こと。つまり、相手の判断力や精神状態が弱っているタイミングを狙って、「それっぽい希望」を投げかけているにすぎません。

だから広告の文言も、「確実に稼げる」とは書かず、「誰でもできる」「最短3ヶ月で月収50万も夢じゃない」といったグレーな希望の演出に終始しています。

そしてその「信じたくなる人」を探す手段として、AIによるターゲティングやSNS解析がフル活用されている。結果として、「落ちている人」だけに最適化された言葉が届く。それこそが現代のマーケティングの怖さです。

言い換えれば、「騙せないなら、最初から騙せそうな人だけをターゲットにしよう」という発想です。これは、昔ならなかなか難しい手法でした。

なぜなら、以前は「心が弱っている人」を見つけ出す手段が限られていたからです。

テレビCMや街中のポスターのようなマス広告では、不特定多数にしかアプローチできませんでした。どれだけ響く言葉を用意しても、「今ちょうど心が折れかけている人」だけに届けることは、ほぼ不可能だったのです。

でも今は違います。SNSの普及、そしてAIによるパーソナライズ広告の進化によって、状況は一変しました。

たとえば、X(旧Twitter)で「もう無理」「人生つらい」「仕事辞めたい」とつぶやけば、それは「今まさに人生に迷っている人」というデータとして記録され、広告のターゲットとしてリストアップされる可能性があります。

あなたの投稿、検索履歴、いいねの傾向、フォローしているアカウント、それらすべてが「心の状態」を数値化し、AIが「今この人に効きそうな夢」をピンポイントで届けてくる。

昔は、漠然と網を張って、誰かがかかるのを待っていた。

今は、AIが「釣れる魚」を特定し、「一人ひとりに合ったエサ」を投げてくる。

つまり、これは「詐欺の効率化」でもあり、「共感マーケティングの悪用」でもあるのです。

落ちているときほど「甘い言葉」に弱くなる

じゃあ、そんな「狙い撃ち」される時代に、私たちはどうやって自分を守ればいいのでしょうか。

まず必要なのは、「自分が弱っているときほど、甘い言葉に引っかかりやすくなる」という事実を自覚しておくことです。

心がしんどいときは、冷静な判断力が鈍ります。「変わりたい」「抜け出したい」という焦りが、判断の基準を「希望」ではなく「幻想」に傾けてしまうからです。

たとえば、広告を見るときに「これは自分を救おうとしている言葉か? それとも、自分の不安につけこんで利益を得ようとしている言葉か?」と、一歩引いて考えてみるだけでも、見える世界は変わります。

そしてもう一つ大事なのは、「夢」と「現実的なステップ」を区別する力です。

「自由な働き方をしたい」「好きなことで稼ぎたい」——それ自体は素晴らしい目標です。でもそれを叶えるには、地に足のついたスキル習得や経験の積み重ねが必要不可欠。

魔法のような近道を探すのではなく、自分の地道な努力に「現実的な希望」を乗せる視点が、今こそ求められているのだと思います。

私は、動くサービスを作るのに4年かかった

ちなみに、これはちょっと個人的な話になりますが、私は今「SaePorns」という非追跡型のアダルト動画の検索エンジンを個人開発しています。

※18歳未満の方はご利用できません。

sae-porns.org

自然言語処理やランキング最適化、スクレイピングの技術も全部自前で書きながら、毎日ちょっとずつ、地道に積み上げてきました。

たとえば、動画のタイトルやタグから意味を抽出するために、日本語の形態素解析を調べてSudachiを組み込み、検索クエリとの関連性を判定するために、独自のスコアリングアルゴリズムも書きました。これは、検索キーワードとの意味的な距離を数値化し、結果をランク付けするためのものです。

スクレイピングも簡単ではなく、対象サイトの構造が頻繁に変わるため、DOMの構造解析や自動再取得の仕組みを何度も作り直しました。サーバー側も含め、エラー処理や遅延対策、ログの監視体制まで、すべて一人で設計・実装しています。

しかも、平日は本業があるため、作業時間は深夜や休日の数時間だけ。やる気が出ない日もあれば、バグに詰まって前に進めない日もある。それでも「使えるものにしたい」という思いだけで続けてきました。

それだけ時間をかけても、まだ完成とは言えないし、利益が出るようなフェーズにすら達していません。

でも、それが本当の「ものをつくる」「スキルを身につける」ということのリアルなんです。

だからこそ、「未経験からたった数ヶ月で月収100万」「好きなことで自由に生きる」といった話が、いかに現実離れしているか、実感としてよくわかります。

本気で何かを築こうと思ったら、それなりに時間もかかるし、しんどいし、報われない時期もある。それをすっ飛ばして「成果だけを保証する」ような言葉に、どうか安易に夢を託さないでほしい、そう思うのです。

悪の共感マーケティングに抗うには、まず「休む」こと

ここまで読んで、「自分も危うかったかもしれない」と思った方がいたとしたら、まずは安心してください。

それはあなたが弱いのではなく、「人間らしい」だけです。

誰だって、しんどいときは甘い言葉に惹かれます。希望を信じたくなる。

そして、そういう感情に共感し、「あなたの味方ですよ」と寄り添ってくるのが、悪質なマーケティングの常套手段なんです。

だからこそ、まずやるべきことは、「行動すること」ではなく「休むこと」です。

焦って申し込む前に、寝て、食べて、少し元気を取り戻すだけで、見える世界は変わります。

冷静さを取り戻したとき、「あの広告、やっぱりおかしいな」と気づけるかもしれない。

それだけで、もう十分すぎるほど「抗って」います。

現実は地味で、成果は遅い。だけど、その地道さにしか本物の力は宿りません。

それではみなさん、よき開発ライフを。

 

こんなことを考えているコンサルが、自分の会社をつくるために日々ウェブサービスを開発しています。興味があればこちらもぜひのぞいてみてください。
※アダルトサービスです、ご注意ください。18歳未満の方はご利用できません。

sae-porns.org