こんにちは、にょろりんこのビジネスブログです。
今日も、毎回トラブルの起きるある顧問先の話をしましょう。
もちろん、トラブルが起きるからこそコンサルが入っているわけで、それが私のメシのタネではあるのですが――さすがにマッチポンプはしたくないので、今日も解決に向けて頑張っています。
今日のテーマはズバリ、「責任なき権限を振りかざす人をどう扱うか?」
貴方の職場にもいませんか?
会議や社内で、自分の責任範囲外のことに首を突っ込んで、あれこれ言って、ガンガン決めていく“台風みたいな人”。
もちろん、決めた内容が有意義ならいいんですよ。でも、たいていの場合――それはアンチパターンにすらなっていない、ほぼ脊髄反射レベルの「思いつき」です。
本来なら、然るべき立場の人が「めっ!」と言うべきなのですが、そこは大人対大人、なかなか「めっ!」とは言えないものです。
責任なき権限を振りかざす人
こういう人って、何が問題か?というと、まず責任を取らないことです。
もし過去に、自分の行動に本気で責任を取った経験があるなら、自然と「どんな判断がどんな結果を生むか?」を想像するようになります。
でも、責任を取ったことがない人は、どんなミスも“誰かが片づけてくれるもの”だと思っている。だから、いつまでたっても周囲をぐちゃぐちゃにかき回し続けるんです。
しかも、これが本当にタチが悪いのは――成長しないこと。
成長って、思いついて、実行して、検証して、成功したり失敗したり、その繰り返しでようやく身についていくものです。ところが、こういう人は「言うだけ」で終わる。
つまり、思いつきのフェーズから永遠に進歩しない。
「やってみたらどうなるか?」の想像力も、「それをやるにはどれだけコストがかかるか?」の感覚もない。だから、社会人なのに、まるで成長がない。
何か言えば、誰かが右往左往して何とかしてくれる。――そんな環境がずっと続いてきたから、本人にとってはそれが“普通”なんです。
そして、本人は気づいていません。
責任なき権限って、最高に快適なんですよ。何を言っても怒られない。何かを決めても、そんなもの世の中には到底だせるレベルのものではないから、自分の見ていないところで大人がこっそり修正する。結果的に成功する(したように見える)
結果、本人の中では「自分はできる人だ!」と錯覚する。でも現実には、責任感を持って動く人たちの時間とエネルギーを吸い取る存在になっている。
コンサルとして見ていると、この手の人が一番厄介なのは、能力が低いことでも、態度が悪いことでもありません。成長に取り残されているところです。
失敗しても傷つかない。周りが修復してくれるから、肌感覚が育たない、問題に対する解像度が低い。
だから学ばないし、変わらない。周りが成長しているのに、ずっと同じ場所で嵐を起こし続けている。
責任なき権限を振りかざす人の末路
前述の通り、責任なき権限を振りかざす人には成長がありません。そして、成長が止まれば、いずれ能力が組織が求めている水準に追いつかなくなる。
責任を取らない人は、失敗を検証しない。検証しないから、改善がない。改善がないから、同じミスを繰り返す。そのあいだに、周囲は着実に経験値を積み上げていく。結果として――気づけば、本人だけが取り残されている。
最初のうちは、勢いと声の大きさで通用します。
でも、周囲が成長していくにつれ、「内容が浅い」「方向性がズレている」と感じられるようになる。
それでも本人は、相変わらず自信満々。「私が言った通りだ!」と胸を張りながら、誰も相手にしていない会議で空回りしている。
コンサル的に言えば、これは“能力の自然淘汰”です。
責任を取らない人は、短期的には自分の思う通りにできても、長期的には自分の市場価値を削っていく。失敗の痛みを避け続けた代償として、成長の機会ごと放棄してしまうからです。
そして最終的に、周囲のレベルが上がるにつれ、本人の「無益」が露呈していく。しかし、本人は「無益」に気が付いていない。
こうして、責任なき権限を振りかざした人は、誰にも頼られず、相談もされず、組織の中で静かに取り残されていく。
派手な破滅ではなく、ゆるやかにフェードアウトしていく――それがそういう人達の、いちばん現実的で残酷な末路です。
成長しない人に社会はとことん厳しい
結局のところ、責任を取らない人には成長がありません。それは職場でも、人生でも同じです。
「責任なき権限を振りかざす人」が置いて行かれるのは、単に人望を失うからではなく、能力が育たないからです。
人生でどれだけ成長できたかは、自分の人生の責任をどれだけ自分で引き受けたかに比例します。
そして気づけば、ゆるやかにフェードアウトしていくんです。最初は職場や学校から、やがては人生から。
社会の評価は、成長しない人(=責任から逃げてきた人)にはとことん厳しい。
「○○さんは、その程度の人だから」――それが、クライアントの冷静な評価でした。
結局のところ、見る人はちゃんと見ています。
派手な自己主張よりも、静かに責任を果たす人の方が、ずっと長く信頼されるんです。
ではまた。
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