こんにちは、にょろりんこのビジネスブログです。
先日のクライアントとの打ち合わせの話なのですが、クライアント企業の社長がこんなことを言っていました。
満面の笑みで「時代はSDGsだよ」と言いながら、「電気代を節約するために、朝早く出社しよう!」。
いやいやいやいや。早朝に出社しても電気はつけますし、空調は入れますよね?それって何の解決にもならないのでは?
ちょっと何を言っているのかわからない――そんなシーンだったわけですが、みなさん、こんな場面に出くわしたらどう思いますか?
※ちなみに、その社長は株主推薦でヘッドハントされてきたサラリーマン社長で、創業者や血縁社長ではありません。
悲しくなるほどの無能を見て共感してはだめ
「他者の話を傾聴し、共感せよ」。ビジネスパーソンの界隈では、訓示のように言われる言葉です。
しかし、「悲しくなるほどの無能」というのは、たしかに存在します。
努力をしていないとか、やる気がないという話ではなく、根本的な根底がズレている人。方向性も、論理も、判断の基準も、すべてが噛み合っていない。
そして、共感力の高い人ほど、そういう人を目の前にすると、怒りよりも先に悲しみがくる。
「この人、本当にどうしようもないな」
「この人、たぶん一生このままなのだろうな」
「誰も本気で止めてあげなかったのだろうな」
そう思ってしまいます。
だからこそ、その瞬間に共感してはいけません、なぜなら、共感とは「理解」ではなく「同化」だから。
悲しい人を見て一緒に悲しくなるのは優しさかもしれません。
でも、無能な人を見て一緒に悲しくなってしまったら、あなたまで無能の渦に巻き込まれてしまう。
社会に生きるいち個人としてのやるべきことは、一緒に沈むことではなく、構造を見抜き、原因を切り分け、再発を防ぐこと。だからこそ、悲しくなるほどの無能を見ても、心を冷やして距離を取る――それが、プロの優しさです。
理解してはいけない領域もある
世の中には、どうしても理解できない行為というものがあります。
理屈を越えて、常識や人間の感情を踏みにじるような行為。
私たちは職業人として、「他者を理解しよう」「相手の立場に立とう」と訓練されてきました。しかし、世界には――理解してはいけない領域がというのも存在します。
例えば、自分の子どもに物乞いをさせる。物乞いをさせるだけならまだしも、稼ぎを増やすために片腕を切り落とす親というのは、実際に存在するのです。
これは極端な例ですが、こういう人を理解しようとしてはいけません。
なぜなら、心のリソースは有限だからです。
こちらが「理解しよう」と思った瞬間、その人の世界に引きずり込まれてしまう。そして、無限に心のリソースを奪われます。
つまり、理解の努力が報われない相手が存在するのです。そんな相手に出会ったら、立ち止まって考えるべきです。
「これは私の理解力が足りないのではなく、理解すべき対象ではないのかもしれない」
先ほどの「悲しくなるほどの無能な人」も同じです。「なぜ、この人は悲しくなるほど無能なのか?」。その理由を理解しようとした瞬間、あなたの心のリソースは無限のブラックホールに吸い込まれます。
傾聴、当事者意識、共感、理解――どれもビジネスの現場では重要なキーワードです。しかし、傾聴してはならない相手、当事者意識を持ってはいけない場面、共感してはいけない人、理解してはいけない領域というものは、確かに存在します。
なぜなら、あなたの心のリソースは有限だから。
共感なんてしなくていい
繰り返しになりますが、あなたの心のリソースは有限です。そして、世の中には、理解しようとすると心のリソースを無限に吸い取ってくる人が、確かに存在します。
では、どうすればいいのでしょうか。
まずは、「傾聴」「当事者意識」「共感」「理解」。こうした言葉を「至上のもの」とする信仰をやめることです。
世の中には、どうしても理解できない人がいます。そして、理解しようとした瞬間、あなたの中の大切な何かを持っていく人もいます。
そういう人に対して、「何が何でも傾聴して、共感して、理解しよう」とするのは間違いです。なぜなら――あなたの心が壊れてしまうから。
このブログの一環したテーマですが、「大切なのは、あなた個人が幸せに生きていくこと」なわけです。この軸を、決してぶらしてはいけません。
もちろん、「生きづらい人が楽しく生きられる社会をつくる」ことは大切です。でも、「生きづらい人と一緒になって生きづらくなる」必要はないです。
確かに、苦しんでいる他者が存在する、という事実を認識することは重要です。しかし、その人と同じ痛みを共有する必要はどこにもありません。
優秀な人ほど、「傾聴」「当事者意識」「共感」「理解」――こういった言葉を「正義」だと信じすぎます。
しかし、理解不能なモンスターに出会った時、それは優しさの仮面をかぶった呪いになるのです。
だからこそ私は言いたい。「共感なんてしなくていい」。
共感よりも、もっと重要なこと、それは、「あなたが壊れずにいられる距離を探す」ことです。それが、優しさを永続させる唯一の方法なわけです。
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