こんにちは、にょろりんこのビジネスブログです。
今日はとある中小出版社さんがクライアントだったのですが、久々に修羅場でした。修羅場というか、営業部長は非常に大人な対応をしていたのですが、編集長は……まあポンコツでしたね。
具体的には、今期の業績が悪い。理由は、発行している雑誌の売り上げがイマイチということ。
まあ、それ自体はいいんです。業績が悪いことも、売り上げが落ちることもあります。大事なのは、「事実を正しく認識し、どう立て直すか」を議論すること。
ただ、今日の会議で驚いたのは、編集長のこの一言でした。
「業績が悪いのは、営業が広告を取ってこないからだ。」
……来ましたね、典型的な責任転嫁フレーズ。まあ、実を言うとよくあるシーンなのであんまり驚いてはいないのですが。
いや、もちろんですね。「どんな困難な状況でも、高度な柔軟性をもって臨機応変に対応し、望むべき成果を創出する。それがイケてるビジネスパーソンの仕事だ!」――そう言ってしまえばその通りです。
でも、それって当事者意識ハラスメントですよね。
冷静に因果関係を整理すれば、こうです。
「売れる雑誌だから、クライアントは広告を出す。」
逆は成立しません。
売れない雑誌に広告を出す企業なんて、まず存在しません。だからこの編集長の発言は、因果関係が完全に逆転しているわけです。
ただ、ここで厄介なのは、本人も本当はそれをわかっているのでは?ということ。つまり、自己防衛と責任転嫁なんですよね。「売れないのは自分の編集方針がハズれているから」――本当はそこに原因がある。でも、それを認めると責任を負うことになる。だから、営業に責任を押しつける。
結局、問題の本質は「無責任体質」です。しかもそれが、組織の中で“それっぽく”正当化されてしまうのが怖い。今回の会議でも、最終的には営業部長の責任という形でまとめられていました。
でも、それは違う。だから私は、「因果関係の修正」から始めるつもりです。
ただ、やられっぱなしではあれですね。大人な対応することは確かに必要ですが、○沢○樹のように「やられたらやり返す」、すくなくともやり返せる準備はしておくべくです。
営業部長として、どう反撃するか?
そもそも、こういう場面、あなたの会社にもありませんか?
「営業が悪い」「営業が頑張っていない」「営業がもっと取ってくれば」――言いたい放題の「数字を知らない評論家」タイプの人。
感情的に反論しても、泥試合になるだけ。なので、ここはロジカルに切り返すのが正解です。
まずは、先ほども述べましたが因果関係の整えです。
- 売れる雑誌だからクライアントが広告を出す
- 売れない雑誌だからクライアントが離れる
売れない雑誌の広告を取ってくるのは狂気です。「営業が広告を取ってこないから売れない」ではなく、「売れないから、広告が取れない」が正しい。
ここを淡々と指摘します。「編集長、それは因果が逆です」と。
これは反論ではなく事実確認。感情論に持ち込ませないための、ファーストブロックです。
でも、営業がなんとかするビジネスモデルってあるよね?
その上で予想される反論が「営業がなんとかする会社ってあるよね。」という反論です。
はい。それは、確かにあります。ただ、その場合、前提条件がちゃんと整っている必要があります。具体的には以下のようなパターンです。
例えば、P生命やG生命などの外資の保険会社。
これって典型的な、営業(セールスパーソン)がなんとかする、というビジネスモデルです。
なぜかというと、保険というのは統計に裏打ちされた商品なので、商品で差別化というのは困難だからです。
商品で差別化が困難。じゃあどうするか?そうだ、セールスパーソンの人間力で売ろう。という戦略には一定の整合性があります。
このケースなら、営業がポンコツだから業績が悪い、という言い分には一定の理があります。
でも、ここで考えてみたいのですが、P生命やG生命などの外資系保険会社で、人間力で業績を上げている人たち――いわゆる MDRT/COT/TOT のクラスって、どんな待遇を受けていると思いますか?
はっきり言って、日本のサラリーマンとは文字通りケタが違う待遇です。報酬も、裁量も、責任も、全部フルスペック。成果を出せば億単位で稼げる世界。
もちろん、営業が当事者意識を持つことは否定しません。でも、「営業がイケてないから業績が悪い!」と責任転嫁するなら、MDRT/COT/TOT並みの待遇を用意するのが前提条件です。
なぜって?だって、そうしないと――その人が働く理由がないですよね。みんな辞めていくんですよ、そういう会社って。
うちの会社で働きたい人はいくらでもいる!
で、ここからが本題。
「うちの会社で働きたい人はいくらでもいる!」
はい出ました、ポンコツ企業がよく口にする無敵ワード。
じゃあ聞きますけど、御社が“選ばれる理由”を10個言えますか?
家庭的。アットホーム。風通しがいい。
あ~そういうの、いいです。それ、御社の競合B社もまったく同じこと言ってますから。
研修がちゃんとしている、サイコーに成長できる職場だ!
あ~そういうのもいいです。P生命やG生命の研修制度ってすごいです。優秀な人間が集まっていることは否定しませんが、いわゆる「できる使い倒す職場」じゃあありません。
ね。無いでしょ?御社が選ばれる理由。
結局のところ、「営業が悪い」「人が足りない」「みんなの意識が低い」―そうやって他人に原因を探しているうちは、何も変わりません。
市場は、そんな言い訳を待ってはくれない。「選ばれる理由」を持つ者だけが、生き残る。
だからこそ、皆で考えるべきなんです。なぜ、自分たちはこの会社で働くのか。なぜ、この会社が市場に存在する価値があるのか。
責任転嫁をやめ、因果を正しく見つめる。そこからしか、再生は始まりません。
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