こんにちは、にょろりんこ備忘録雑記ブログです。
ちょうど前回の記事をX(旧ツイッター)にポストしようとした時のことなんですけど、「キラキラ副業ウェブデザイナー講座」みたいな広告が流れてきました。
うっかりクリックしてしまったのですが、いやあ、ひどいもんです。
曰く、
- 未経験でも月30万
- 3ヶ月でフリーランスデビュー
- スキマ時間で自由に働ける
・・・現実を知っている人からしたら、突っ込みどころしかありません。
競合の視点が抜けている
何が酷いかというと、こういった広告って競合の視点がまったく抜け落ちているんです。
だって考えてみてください。
なぜ、ちょっと勉強しただけのあなたが「何年も現場で鍛えられてきたプロのデザイナー」や「法人チームで組織的に案件を取っている制作会社」に勝てると思うのでしょうか?
「未経験でも月30万稼げます!」なんていう甘い言葉に、この現実的な競合の存在は一切書かれていない。それが一番、恐ろしいところだと思います。
マーケットの本質は競争
マーケットの本質が競争である以上、何かをはじめるときには、この競合の存在を確認することが本当に大切です。
例えば、あなたが結婚相談所の職員だったとして、アラフォー無職の女性会員が「私、年下で年収1000万以上のキラキラ男子と結婚したいんです!」と言ってきたら、どう思いますか?
普通に考えたら、「いや、それはちょっと厳しいですよ・・・」って言いますよね。
なぜか?
それは、競合がいるからです。
その年下で年収1000万以上のキラキラ男子は、他にも若くて可愛くて、もっと条件の良い女性から山ほどアプローチを受けているわけです。
つまり、マーケットには常に競争が存在していて、その競争の中で自分がどうポジションを取るかを考えない限り、現実的にはうまくいかないということです。
これは逆も同じで、アラフォー無職の男性が20代の女性と結婚したいと言ってきたら、それもまた厳しい。
確かにラッキーパンチが当たることもあります。だから、確率はゼロではありませんが、それは大局的にはありえないわけです。
宝くじに当たる人だっている、というレベルの話です。
話を副業キラキラウェブデザイナーに戻しましょう。
これが、競合の存在がある限り、ちゃんと広告どおりのキラキラ高収入になるわけがないのは、明らかなわけですよ。
正義気取りではなく私が生き残るため
よくこういうことを言うと、「うわっ正義マン出たよ、余計なお世話、承認欲求乙」と言われます。
確かに、正義のためというのは無くはありません、しかし、ここで重要なのは、私が開発を続けていくためには、健全で自由な市場が必要だということです。
業界の隅っこで糊口をしのいでいる私ですが、そんな私だからこそ思うんです。「業界で生きていくためには、業界そのものが健全である必要がある。」と。
例えば、エステ業界を見てください。
一部のサロンが悪質なローン契約を組ませたり、高額コースを押し売りした結果、業界全体が「エステ=怪しい」というイメージを持たれるようになってしまいました。
そうなると、真面目にやっている良心的なサロンまで疑われて、経営が苦しくなるわけです。
同じことが、Webデザイン業界でも起こりうる。
もし業界全体が、「バカを騙すだけの詐欺まがいビジネス」だと思われてしまったら、真面目にやっている人間まで信用されなくなります。
結局、それで一番困るのは、私のような弱小プレイヤーなんですよ。
だから、例えば、誰かを騙して儲けてる人がいたり、逆に、誰かが騙されそうになっているのを見かけたとき、私は「騙されてますよ」と言わざるを得ません。
もちろん、正義感も多少はありますが、それ以上に、業界全体が汚れてしまったら、私がどれだけ真面目にやっても生きていけなくなるからです。
絶対に無理でないところが悪質。詐欺まがい。
何べんも言いますが、絶対に無理だと言っているわけではありません。
ピチピチギャルと結婚する普通のアラフィフおじさんが、この世に0人ということはないでしょう。
だから、この話は悪質なんです。詐欺まがいだけど詐欺ではない。絶対に当たらない宝くじは詐欺だが、極超低確率で当たるなら詐欺ではない。
私は、この業界をギャンブル業界にしたくないんです。
というか、もしギャンブル業界になってしまったら、世間からは「怪しい業界」だと思われ、私のような弱小は生き残れなくなります。
真面目にやっていても、業界全体の信用が落ちれば、真面目な人まで食えなくなるのが世の常なわけです。
稼げないのは努力が足りないから?
このように書くと、それはその人の努力が足りなかっただけ。という反論を主に業者サイドから聞きます。
これは一理あります。まあ、一理もないものはこの世にあんまりありませんが。
でも、だったら何度も言いますが、その努力・学習コストは看護師資格や電験三種に向けた方が安定的にも経済的にも勝率が高いです。
ウェブデザイナーになるのに免許はいりません。つまり参入障壁がむちゃくちゃ低いんです。ということは競合も多く、単価も下がりやすい世界。
死屍累々のレッドオーシャンがどこまでも広がります。
そこで生き残るのは、才能か、血の滲むような努力か、運か、その全部です。
実績ゼロからでもクラウドソーシングで案件取ればいい?
いや、何遍も言いますが、専業&法人が渦巻くWebデザイン業界で、実績ゼロのあなたに回ってくる案件ってどんなのですか?
答えは簡単で、
- 誰でもできる超低単価案件
- 時給換算したら数百円以下
- クライアントから無茶振りされる修正地獄案件
こういう案件ばかりです。
最初の実績作りだとしても、生活費を稼ぐどころか、心がすり減って終わる可能性のほうが高いですよ。
専業&法人がレッドオーシャンにちょっと勉強しただけの副業フリーランスがどうやって勝つんでしょうか。現実的にはまず無理です。
もちろん、何回も言いますが、無職アラフォー婚活女子が年収1000万オーバーのキラキラ3K男子と結婚できる可能性はゼロではありません。
ただ、それは再現性が限りなくゼロで、だから悪質・詐欺まがいなわけですよ。
とにかくスタバでキメながらキラキラ仕事したいの!
そういう気持ち、分からなくはないです。
もし、それでも「スタバでキメながらキラキラ仕事がしたい!」というなら、一つだけ方法があります。
それは、専業や法人に勝てる圧倒的なセンスや実績を持つことです。
例えば、
- この人に任せればコンバージョンが100%になる
- 広告費を費やせば費やすだけ無限に儲かるLPが作れる
- 見た人の全てが「芸術だ!」と感嘆するデザインが作れる
そんなレベルのスキルと成果を出せるなら、キラキラどころか、クライアントから頭を下げてお願いされる立場になります。
でも、そこまで行くには、ちょっと副業講座を受けたくらいでは無理というのが現実です。
というか、そのレベルに達しようと、天性のセンスを持った人が努力を続けているのがウェブデザイン業界なわけです。最終的には生き方の問題ですから、私のような他人がとやかく言うべきではありません。
しかし、それほど厳しい業界だということを、あえて教えずに(大金受講料をとって)飛び込ませるなら、それは悪質・詐欺まがいであり、詐欺まがいが増えると、業界全体が悪いものになり、私のような弱小が生きていけなくなるわけです。これは困ります、だから私は言うんです。
全体のまとめ
今回は、「キラキラ副業ウェブデザイナー講座」の広告がいかに現実離れしているか、そしてそれが業界全体に与える悪影響についてお話ししました。
キラキラ広告は、
- ちょっと勉強しただけで月30万稼げる
- 3ヶ月でフリーランスデビューできる
- スキマ時間で自由に働ける
などと甘い言葉を並べますが、そこには競合という視点が完全に抜け落ちています。
マーケットには常に競争があります。未経験者が何年も修行を積んできた専業や法人に勝つのは、宝くじに当たるレベルの確率です。
もちろん、宝くじに当たる人もいれば、アラフィフ無職おじさんがピチピチギャルと結婚できる可能性もゼロではありません。でも、それを「当たり前の未来」かのように広告で煽るのは、詐欺まがいと言わざるを得ません。
そして、そういう詐欺まがいビジネスが蔓延ると、業界全体が怪しいものだと思われてしまう。結局、困るのは、業界の隅っこで真面目に糊口をしのいでいる私のような弱小プレイヤーです。
だから、これは単なる批判ではなく、業界で静かに生きる私自身のサバイバル戦略でもあるのです。
「甘い話は存在しない」と。
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